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第24話 探偵、奈々子

 翌日、奈々子は太一の後をつけた。太一は、奈々子の乗り降りする駅のひとつ手前の駅を降り、昨日の夜と同じマンションへと入っていった。
 引越ししたのではない。太一はこのマンションにもう3年近く住んでいる。
 昼間、奈々子は太一との世間話で、引越しをしようと思っていると話した。
「今週末、物件をみてまわろうかなあとおもって」
「急だなあ」
「時間のある時でないと、いろいろ準備もしないといけないし。今のところ、もう5年住んでいるんだけど、飽きてきたし、気分転換もしたいし。場所はいいんだけどね」
「いいところじゃないか。俺なんか今んとこ3年住んでるけど、一回住んだら引っ越せないなあ」
 太一との会話から、引越しはしていないと奈々子は結論づけた。
 駅の反対側、しかも最寄り駅もちがう場所にあるマンションに3年も住み続けていながら、なぜ太一は奈々子のマンションの近所に住んでいるとウソをついたのか。
 奈々子には思い当たる節があった。
残業が続いて、毎日のように太一と帰りが重なった時期がある。同じプロジェクトに関わっていたのだからと気にはしていなかったが、今にしておもえば、太一は奈々子をマンションまで送ってくれていたのではないか。
スーパー横綱でばったり会った帰り道、太一は、暗い夜道を歩く奈々子をつけてきた。痴漢かと誤解した奈々子だったが、あれはこっそり奈々子を送り届けるつもりだったのではないのか。季節は、日の沈むのが早くなる頃だった。あの時、太一は、夜道は用心したほうがいいと言ったのだ。プロジェクトに関わって帰宅が毎晩遅くなった頃も、夜が長い時期だった。
 いつだか、トイレを借りていったこともあった。自分のうちはすぐそこなのに我慢できないのかと奈々子はおもったのだが、奈々子のマンションから本当の自宅まで歩いて25分ほどかかるとあれば、我慢できないのも納得がいく。
ときたま見かけた駅の方向へと歩いていく太一は、実は本当の自分の住む場所へ帰るところだったのだ。朝、ホームで太一をみかけないのも当然だ、使っている駅が違うのだから。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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