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あじろ けい

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罪喰い 4-4

娘はわずか12歳の生涯でした。娘は……マデリーンは殺されたのです。
 ジョンストンに。
 かわいそうに、怖かったでしょう、苦しかったでしょう。まだこれからだったというのにジョンストンはあの子を犯して、その命を奪った。そしてまるでごみのようにそこいらの道端に捨てたんです。私の大事なマデリーンを。
 私は16であの子を産みました。電気工をしていたあの子の父親とは、あの子がまだ幼い頃に別れました。仕事先で女を作って、その女と一緒にどこかへ逃げたんです。私はそれからはひとりでマデリーンを育ててきました。裕福じゃなかったけれど、不自由な思いはさせまいとして、大事に育ててきました。いつかは結婚して、子どもを産んで、私は孫のお守りをおしつけられるんだ――そんな、ただ普通の幸せを彼女に望んでいました。親ならそう思うものでしょう? 生きていたら、孫がいたっておかしくないくらいの年齢ですよ……。
 ジョンストンには子どもがいないから親の気持ちなんかわからないんです。聞くところによれば子どもも生まれる前に殺しているそうじゃないですか。そんなやつに、命がけで産んだ子どもの愛おしさがわかるものですか。
 大事な私のマデリーンをただ一時の欲望のはけ口にされたこの口惜しさ。
 わかりますか? 男にはわからないでしょうとも。女はね、命を宿した瞬間から骨身をけずって命を育むんです。この世に押し出すのだって命がけですよ。そうしてやっと命というものはこの世に芽吹くのです。
 マデリーンは殺されるために生まれてきたんじゃない……。
 あの子はちょっときれいな子でした。白雪姫(スノウホワイト)じゃないけれど、肌が白くて髪は黒く、唇は赤かった。父親に似て、甘ったるい顔つきで、夢見るような目をしていました。ちょっとちやほやされたものだから、本人は舞い上がってモデルになるんだなんて言ってました。そんなこと、思わなければ殺されないで済んだかもしれなかったのに……。
 その日、マデリーンは夜遅くなっても家に帰ってきませんでした。また悪い仲間とよくない遊びをしているんだと私は思っていました。そのころ、あの子は私の言うことを聞かず、年上の少年たちと遊び歩いていました。彼らからマリファナを教えてもらったようで、部屋からポッドをみつけたこともあります。そのことできつく叱りつけたので、ますます私に対して反抗するようになっていました。
 ですから、その日もまたいつもの連中と遊んでいるのだろうと、私は彼らがたむろしているバーへとあの子を迎えにいきました。古い話ですし、田舎ですから、今とは違って若い子たちに酒を与える人もいたのです。ただではないようでしたけど……。
 あの子はいませんでした。私はマデリーンは一緒ではないのかと遊び仲間を問いただしました。しかし、彼らもあの子の行方を知りませんでした。その日はマデリーンを見かけていないというのです。その日の朝、学校へ行くといったマデリーンを送り出したのを最後に、私はあの子を永遠に失ってしまいました。
 警察に行方不明の届けを出してから、1か月が経った頃でしたか。マデリーンのものらしい遺体が発見されたから確認してもらいたいと私は呼び出されました。警察から連絡があった時、私は複雑な思いでした。とうとうこの時が来てしまったかという思いと、マデリーンがみつかって嬉しいという思い。生きているという希望を捨ててはいなかったけれど、気持ちの半分では諦めかけてもいました。死んでいるとわかった時のショックを和らげるために、心が準備をしていたのでしょう。
 それでも、マデリーンの遺体と対面した時の衝撃といったら、何と言ったらいいか。私の大事なマデリーンは、変わり果てた姿になっていました。あの白い肌はいまやどろどろに溶けてなくなって、骨がみえていました。夢見るような目にはうじがわいて、美しかった黒髪は泥がこびりついてぐしゃぐしゃに絡まっていました。
 ……私は叫んだと思います。よくは覚えていません。顔をみてあの子だとはわからなかったけど、ピンクのTシャツとプラスチックのパールネックレスは確かに彼女のものでした。ネックレスはあの子が気に入って普段身につけていたものです。長いものを二重にも三重にも巻いて手にまきつけてブレスレットかわりにしていました。
 マデリーンはレイプされて殺されたと聞いて、私は発狂しそうになりました。子どもをレイプして殺すだなんて人間のやることじゃありません。畜生だってそんなことはしませんよ。犯人は畜生以下の存在です。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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