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罪喰い 4-5

 マデリーンを殺した犯人はなかなかつかまりませんでした。警察は何の手がかりもつかんでいなかった。ずい分たってからあの子のTシャツから犯人のDNAが採取されましたけど、当時はDNA鑑定なんてものはまだなかった頃でした。
 当時、似たような事件が何件もあって、警察にとっては数ある事件のひとつでしかなかったでしょうが、私にとってはたったひとつの出来事でした。
 事件のことはいつでも頭にありました。忘れるわけがない。愛する我が子を守ってやれなかった口惜しさ、犯人への憎しみ。いつかこの手で犯人をつかまえて八つ裂きにしてやりたい。ずっとそう思っていました。
 DNA鑑定が捜査方法として認められるようになると、マデリーンの衣服からDNAが採取されました。それでも、犯人のDNAがわかったというだけで、犯人がわかったというわけではなかった。事件は解決したわけではありませんでした。
 そんな時、手紙を受け取ったのです。手紙を書いた人は、マデリーンを殺した犯人が物流王と言われる大金持ちのジョンストンだと教えてくれました。はじめは信じられなかった。でも手紙と一緒に、いろいろな資料が入っていました。警察の資料もあったと思います。それによると、マデリーンはモデルにならないかと声をかけられ、男についてトラックに乗ったとありました。マデリーンらしき少女を見たという目撃者の証言です。ジョンストンは若い頃、トラック運転手をしていたというではありませんか。マデリーンが行方不明になった当日、ジョンストンが仕事で私たちの町にいたという記録も含まれていました。マデリーンは別の州で発見されたのですが、その町にもジョンストンは仕事で訪れていました。
 資料を読んでいくうちに、私はジョンストンがマデリーンを殺した犯人だと確信しました。やつはけだものです。マデリーンの他にも何人もの少女を犯して殺しているんです。わかっているだけで6人ですか。そんなに……。手紙にはもっと多い数字が書いてあったような気がしますが、記憶違いかもしれません。
 手紙は誰からもらったか、ですか? さあ、差出人の名前はなかったように思います。その手紙はもう捨ててしまいました。同封されていた資料はきちんと取ってあります。証拠として使えそうだというのならぜひ使ってください。
 どうやってジョンストンに近づいたかですか? それはジョンストンが自宅で面倒をみてくれる付き添いの看護師を探していると聞いたから、チャンスだとおもったのです。看護師の資格がないだろうですって? ええ、そうなんですが、どうせ世話さえしてくれたらいいというだけのものだったのでしょう、資格のことは聞かれず、採用となりました。神がやつに天罰を与えようと私をお選びになったのだと今ではそう思います。
 ジョンストンという男はろくでなしです。人を人とも思っていない。私に対しても自分の世話をするロボットか何かのように思っていて、感謝なんかされたことはありません。私は復讐の機会をうかがっているだけで、感謝されようだなんてはなから思っていませんが、普通に看護師として面倒をみる人間だとしたら、不満を持ったでしょうね。実際、私の前には何人もの看護師が辞めていったそうですから。
 奥さまに対しても非常に冷たくあたられました。あの弁護士のノーマンさんと奥さまとの間に関係があって、ジョンストンを殺してその遺産を奪おうとしていると思いこんでいたようです。ノーマンさんは奥さまに気があったかもしれませんが、奥さまのほうで相手になさっていませんでした。奥さまはノーマンさんに失礼のないように接していらしてましたが、特に男女の親しみは示されていなかったように思います。だから、関係はなかったと思います。
 慈善活動に熱心でいらして、天使のようにお美しい、心も美しい奥さまがどうしてあんな男に我慢して結婚していらしたのか不思議でなりません。まあ、夫婦には夫婦にしかわからないことがありますから他人の私がどうこう言えることではありませんけど。
 ジョンストンが書いた新しい遺言状の証人サインを神父さまが拒んだので私がかわりにすることになった時は正直戸惑いました。何だか悪だくみがありそうな気がして……。でも遺言状の内容を読んで、ジョンストンが死ねば遺産はすべて慈善団体へいくようになると知って、こんな男でも死ねば遺産がいいことに使われるのならと迷いなくサインしました。何ならサインした瞬間にでも死んでくれてもよかったのに。
 そうです、私はジョンストンを殺すつもりでした。そのために看護師としてもぐりこんだのですから。ヒ素を盛り続けていたのは私です。
 ジョンストンは奥さまとノーマンさんを疑っていたようですが、見当違いもいいところです。ドクターに“誰かが殺そうとしている”と知らされ、ジョンストンは奥さまたちの病室への立ち入りを禁止しましたけど、毒を盛っていたのは私ですから。
 ドクターと私と神父さましか病室に入れなくなっても私は毒を盛り続けました。私の仕業だと気づかれても構わないと思っていました。ジョンストンさえ死ねばいい、そういう気持ちでいたのです。
 いつからヒ素を盛り続けたか、ですか。それは私が邸に来てからですが……。え? もっと前から盛られていた形跡がある? そうですか、でも私で間違いありません……。

パメラ・フォスター

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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