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罪喰い 5-4

「それは?」
 シヴィルは目ざとく、アルが手にしたユリの花束をとらえた。
「あなたにです」
 アルは花束をシヴィルに差し出した。
「まあ、いい香り」
 顔ほどはあろう大きさのユリを引き寄せ、シヴィルは香りに酔った。
「ユリは大天使ガブリエルの象徴です。受胎告知の際にもユリを手にしている。大天使ガブリエルは復讐の天使でもある……。あなたは復讐のため、僕を利用した――」
「あなたはもうすべてを知ってしまったのね」
 サプライズパーティーの計画が台無しになってしまったと言わんばかりに、シヴィルはむきだしのブロンズの肩をすかしてみせた。
「私たちは――」
「私たち?」
「私とノーマン弁護士。いいえ、ノーマン捜査官と言うべきかしら。連続少女暴行殺害事件に関して、FBIはずっと犯人を追っていました。そしてついにジョンストンの存在を突き止めました。でも彼を追い詰めるだけの証拠がなかった」
「だから罪喰いを利用して自白を取ろうと思いついた。あなたのアイデア?」
「ええ。罪喰いの存在は神父さまから聞いて知っていました。私の影響でカソリック信者となったジョンストンに自白をさせるには、罪喰いをするのだといえば説得しやすかったから」
「あなたの姉は、父親に殺されたのではない。実はジョンストンの連続少女暴行殺害事件の被害者だと知ったのは?」
「21の時。自分の不幸な生い立ちについてはシスター・ローザから聞いて知っていました。姉が父に殺されたことも、母が自殺したことも。姉にとっては血のつながりのない父ですが、私にとっては実の父親です。私は父と正面から向き合おうと決心しました。それまでの私は、姉を殺し、間接的に母を殺した父を憎むばかりでした。シスター・ローザは、私に父を憎むのはやめなさいと忠告してくれました。そんなことをしても、失われた過去が戻るはずもない、憎しみはあなたの生を蝕むだけのものだと。それで、私は父に会うことにしたのです。和解できるかどうかはわからなかったけど、一歩前に踏み出すにはそうする必要があると思ったので。
 父は……すっかり年老いていました。私が生まれる前に逮捕されてしまったので若い頃の父を知るわけではないけれど、きっとハンサムだったのでしょう。面影は少し残っているものの、私ぐらいの年齢の子どものある年には見えませんでした。父というよりは、祖父といったほうがしっくりくるようなやつれぶりでした。
 父は私に会うなり、涙をこぼしました。私が母に似ていると言って。そして姉にも……。父は、姉を殺していないと言いました。逮捕された時から父が無実を訴えていたのは知っていました。でもそれは言い逃れだとばかり思っていました。でもそうではなかった……。父は、犯人が姉の死体のそばにいたところをたまたま通りかかっただけだったのです。そして犯人にされてしまった。父と姉とは折り合いが悪かったせいで、父が姉を殺したと警察は頭から決め付けたそうです。父は犯人の顔をみていました。そう言ったのに、警察では父の訴えを無視した……」
「目撃したのはジョンストンだった」
 シヴィルは悔しそうに唇を噛んでうなずいた。
「最初、父は自分が目撃したのがジョンストンだとはわからないでいました。ただ、中年の男とだけしか記憶していませんでしたが、もう一度会えば名指しできるほど犯人の顔が焼き付いたそうです。ある時、新聞でジョンストンの写真を見て、自分が目撃したのはこの男だと気がついたそうです。姉の死体を車のトランクからひきずりおろそうとしていた中年の男、みなりこそ写真では立派だが、間違いなくジョンストンだと。
 その話を聞いた時、初めは信じられませんでした。ディヴィット・ジョンストンといえば、物流王として名をはせていた人物です。そのジョンストンがなぜ姉を殺さなければならないのか。でも父の妄想とも思えませんでしたから、私はジョンストンに近づいていろいろ調べてみることにしました。そしてジョンストンが姉を殺した犯人だと確信したのです。私は、姉の命を奪い、母を自殺に追い込み、父を陥れて、私が得るはずだった幸せな家庭を壊したジョンストンに復讐すると決意しました」

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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