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なのなのな 2-2

 桃子のケータイがけたたましく鳴った。着信を見ると彩花からだった。
「誰?」
「彩花です」
「デザイナーの長谷川彩花?」
「はい」
「出た方がいいんじゃない?」
 無視し続けているのに、ケータイは鳴りやまない。
「はい……」
 桃子はケータイを握りしめ、後ろ髪引かれる思いで貴一のワークステーションを後にした。途中、振り返ってみた貴一はPCにむかって背を丸めていた。考え事はやめにして、残業する気になったらしい。
 貴一と二人きり、ライブに誘ってみようかというタイミングで電話かけてくるなよと忌々しい気持ちを指先にこめ、桃子は画面を思いきり押した。
「桃子ーっ! ねえねえ、今さ、合コン中なんだけど、誰を選んだらいいか、桃子の指示、ちょうだい」
 ケータイの向こうから弾んだ彩花の声が聞こえてきた。舌足らずなのは酔っているからだ。
「うん、わかった。えっとね、全員ダメ」
「なぁんでぇ。まだどんな人とか何も言ってないじゃない」
 きっと唇をとがらせているのだろう、彩花の舌足らずな口調に拍車がかかっている。
「合コンに来るような男にろくなヤツはいないの」
「桃子のそれ、偏見。合コンだって立派な出会いの場じゃないのぉ。いい人だっているでしょ。何で桃子は合コンに否定的なの?」
「お酒の入った席での出会いは信用ならないってだけ。酔っぱらって判断力は鈍るし、お酒が入ると話を大きくする人が多いから」
「だからぁ、酔っぱらっていない桃子に判断してもらうんじゃないのぉ。付き合ってもいい人かどうか」
「そうね、その判断だけは賢明と言える。わかったから、男の写真と簡単なプロフィールをメールで送って」
 はぁいと呂律の回らない返事の後、電話は切れた。
 男の見極めはすべて桃子に任せるといったのは彩花の本気だったらしく、その週末から彩花の電話攻勢が始まった。
 始まりは土曜の午後だった。いつものようにたまった洗濯をすませ、掃除機をかけ終え、雑誌を読んでのんびりとしていると、彩花から電話がかかってきた。買い物に出たらナンパされたという。ナンパなど始めから体目的だろうからやめておけと忠告するつもりだったが、ナンパ男に直接ガツンと一言言ってやろうという気になって電話に出させた。相手の最初の一言が「ちぃーす」だったので、ろくに挨拶も出来ないようじゃ先はみえているとすかさず電話を切り、直後に「ダメ」のメールを送った。
 彩花は素直に指示に従って男を振り切ったらしい。しかし、そのすぐ後にまた電話がかかってきた。またナンパされたという。どうしたらいいと聞かれたので、男の写真を送らせた。髪の長い男だった。白のTシャツに黒のジャケットをはおったカジュアルな格好で、ぱっと見の印象は悪くなかった。聞くと学生だと言う。遊びだなと、この男も却下。
 それからも電話はひっきりなしに鳴った。犬も歩けば何とやら。彩花が歩けば男にぶつかるらしい。まともに道を歩けているのか、心配になった。百メートルをいかに遅く歩くかという競技がオリンピックにあったら、彩花は間違いなく金メダリストだ。
 「声かけてくる男にいちいち対応しなくていいから」。呆れ気味にそう言って土曜の午後の電話相談は終息したのだった。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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