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あじろ けい

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なのなのな 5-3

「彩花、もう相談にはのれない」
 そう言うなり、桃子はカウンターに額をぶつける勢いで頭を下げた。近くの席の男がケータイを手に立ち上がったのをきっかけに顔をあげると、口を半開きにしたまま固まっている彩花の顔が目に入った。その口が「に」の形をしていた。「相談にのって」と言いかけた彩花を桃子は遮ったのだった。
「なんで?」
 彩花のきれいな眉がシンクロのようにそろってあがった。貴一が好きだからという本当の理由を、桃子は苦笑いでごまかした。
「やっぱり、自分で考えて行動した方がいいよ。人に決断してもらうなんてバカげてる」
「私、桃子にいろいろ判断してもらってよかったと思ってるよ」
 桃子のセリフを最後まで聞かず、彩花は首を横に振った。
「この間だって、桃子が早すぎるって言ってくれてよかったって思ってる。男って、体の関係ができると離れていくから」
 何もなかったのだろうとは想像ついていたが、はっきり彩花の口から聞くと胸のつかえがおりた。と同時に自責の念にもかられた。「早すぎる」といったのは、彩花を思ってではなく、貴一との関係を嫉妬してだったからだ。桃子の醜すぎる嫉妬のせいで苦しむことになった貴一を、桃子はその目で見てもいた。
「彩花、佐野先輩のこと、好き?」
「うん」
 満面の笑みで彩花はうなずいた。
「すごく大事にしてくれる。今までの男だったら、体の関係を断ったら逃げていったのに、佐野さんは違うもの。私には男を見る目がないから、桃子に佐野さんを勧めてもらってよかったと思ってる。ね、だから、これからもいろいろ相談にのって」
 無邪気な彩花の笑顔が胸に痛かった。相談にのりたくないのは、これ以上、貴一と彩花に関わっていると苦しいからという自分勝手な都合なのだから。
「ねえ、私がまだ早いって言わなかったら、先輩と寝てた?」
「うん」
 即答だった。
「でも、寝てたら、今頃続いていなかったかもしれない。男って、体の関係ができてしまうと、後はどうでもよくなるところがあるから」
「先輩はそういう男じゃない」
「うん、よくわかったもん。いい人だよね。でも、桃子が付き合いなって言ってくれなかったら、付き合ってない。やっぱり、桃子は男を見る目があるよね」
「先輩が彩花を好きだっていうんじゃなかったら、付き合えなんて言わなかったと思うよ」
 桃子の言葉の意味を知ろうと、彩花は長い睫を何度かしばたかせた。
「どういう意味?」
「そのまんまだよ。先輩が彩花に告白したんでなかったら――その逆で彩花が先輩を好きだっていうんだったら、やめろって言ってた」
「なんで?」
「わかんない? 私が先輩を好きだから」

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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