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あじろ けい

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なのなのな 6-6

「それで、カツ丼にするかそばにするか決めたの」
「そばにする」
 スマホの画面から目を離さずに亮平は言った。
「彩花とはうまくいってる?」
「普通」
 亮平はそばをすすった。豪快な音がした。食べっぷりのいい男性は嫌いじゃない。
「普通って何、あんたの普通は人とちょっと違うから心配」
「どう違うんだよ」
「彼氏のいる子と付き合って、自分も別の子と付き合っても平気だとか」
「お互い納得している関係なら何だっていいじゃねえの」
「そうはいうけど」
「てかさ、オレらがどう付き合おうと、あんたには関係ないよね? 彩花はただの友だちなんだろ」
「彩花は男に泣かされてきたから。特にあんたのような男に。そのたびに愚痴聞かされて、やっとまともな恋愛してたかと思ったらまたあんたみたいな男に引っかかって」
「あのさ」
 そばを啜るのをやめ、亮平は箸の先を桃子にむけた。
「さっきから聞いてると何だよ、あんたみたいなって。何かオレがクズな男みたいな言い方して」
「浮気男はクズじゃないの」
 桃子の語気が荒くなった。
「一度に何もの相手と付き合って何が悪いんだよ。てか、オレ、相手にも別に付き合っている子がいるって言ってるんだから、そもそもそれって浮気になるのか?」
「何で一人の人と付き合わないの」
「だって、みんなそれぞれに好きなんだぜ。選べないよ。てか、さっきも言ったけどさ、オレが誰とどう付き合おうとあんたにはまーったく関係なくね?」
 亮平の言う通りだが、何だか釈然としない。亮平にも腹が立つし、三角関係でも構わないという亮平の彼女たちの態度にも苛々する。胸にこみあげてくるモヤモヤとした気持ちは一体何なのか。
 すっかり食欲の失せた桃子は箸を置いた。
「食わねえの?」
「食べていいわよ」
 桃子はせいろを亮平に押しやった。半分も手をつけていない。
「やっぱ、カツ丼も食おっと」
 嬉々として亮平は言った。
 ざるそば2枚とカツ丼とで合計はxxx円になった。スーツ代、コーヒー代もろもろの借りを清算する意味でおごるからと言って亮平はきかなかった。スーツ代を出してもらうつもりはなかったし、蕎麦屋のおごりではせいぜいコーヒー代が相殺されるくらいだろうと桃子は承知した。
 いざ会計となり、亮平は財布を出そうとデニムのポケットをさぐった。しかし、どのポケットからも財布の出てくる気配はなかった。あれと言いながら、亮平はデニムを叩いてみせていたが、だからといって財布や金が出てくるはずもない。
「財布、部屋に忘れてきた……」
 亮平は困ったような顔を桃子にむけた。桃子は黙って自分の財布を取り出した。本当に忘れてきたのか、おごらせるつもりで最初から持って出なかったのか、亮平の真意を考えるのは面倒だったし、どうでもよかった。
「悪い。今度、絶対返すからさ」
 店を出たところで、亮平は両手を合わせ、悪びれた様子もなく言った。今度っていつだろう。亮平は、桃子の引っ越し先も連絡先も尋ねなかった。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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