Profile

あじろ けい

Author:あじろ けい

最新記事
カテゴリ
最新コメント
最新トラックバック
参加ランキング


にほんブログ村 小説ブログへ

素材サイト様
和風素材×フリー和柄素材 ネオ ジャポニズム
ホームページ作成用のサイケデリック調の和風素材や和柄素材、浮世絵調のフリー素材やデスクトップ壁紙のサイト
web*citron
シンブルで可愛い素材
十五夜
和素材の宝庫

無料写真素材フリー「花ざかりの森」
日本の森の美に感嘆
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

なのなのな 7-4

「私、彼が好き」
 一瞬の間の後、彩花と亮平の驚きの声が美しいハーモニーを奏でた。
「桃子は佐野さんが好きなんじゃなかった?」
 彩花は悲鳴に近い声をあげた。
「佐野って誰?」
「同じ会社の人、桃子の先輩」
 彩花が亮平に耳打ちした。
「リョーヘイが好きってどういうこと? 好きになったってこと?」
「うん」
「私の彼だって分かってて言ってるの?」
 彩花の口調が次第に厳しくなりつつあった。
「もしかして、私の付き合っている彼だから好きになったの? 佐野さんにしても、リョーヘイにしても」
「それは違う」
 自分でも驚くほどの大きな声が出た。
「先輩のことはずっと好きだった。彩花が告白されて付き合うようになる前から。リョーヘイ……くんはただの隣人だったけど、気にはなっていたんだと思う」
「思う?」
「好きだって気づいたのは最近なの」
「私がリョーヘイと付き合っているって知った後?」
「はっきりした気持ちを知ったのはその頃」
 頷いてみせた桃子にむかって彩花は大きなため息をついてみせた。
「私の彼だって知ってて何で告白するの」
「言わないと後悔すると思ったから――」
「告白したらリョーヘイが桃子と付き合うとでも思ったの?」
「それは――」
 考えてもみなかった。望んでもいなかった。自分の気持ちを打ち明けることで頭がいっぱいだった。貴一の時には感情を内に秘め続けてきたその反動だったのかもしれない。
「あのさ、コクられたのはオレなんだけど?」
 二人の間に挟まれるようにして亮平が立っていた。深刻な表情の桃子と彩花に対し、ひとりニヤついている。
「それで、どうなの? リョーヘイは、桃子に好きって言われて付き合う気はあるの?」
「うん」
 即答だった。亮平は満面に笑顔を浮かべていた。血の気が引いた彩花の顔は真っ白になっている。
「私とは別れるってこと?」
「なんで? 別れないって。オレ、どっちも好きだもん。二人と付き合えばいいじゃん?」
 とたんに桃子は噴き出してしまった。女ふたりが真剣な事柄に、亮平はいとも簡単に答えを出してしまった。割ってしまえば立たせることのできるコロンブスの卵。
「何言ってるの? 浮気を認めろってこと?」
「浮気じゃないって。二人とも本気で真剣に付き合うんだから」
 蒼白だった彩花の顔色は今は怒りで真っ赤になっていた。
「二股ってこと? 私は絶対嫌だから! 桃子も嫌よね?」
 昨日の敵は今日の味方。彩花の対戦相手は亮平にたちまち変わった。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。