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あじろ けい

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なのなのな 最終話

「うん。私も嫌。私たちのどちらと付き合うか、選んで」
 桃子はこれ以上ない魅惑的な笑顔を作ってみせた。
「選ばないとダメ? どうしても?」
 亮平は食い下がったが、共同戦線をはった桃子と彩花はゆずらなかった。
「しょうがねえなあ」
 ぶつくさ文句を言いながら、人差し指をたて、桃子と彩花との間で降り始めた。
「どちらにしようかな 天の……」
「ちょっと待って、そんなことで決めるの?!」
 彩花が亮平の人差し指をつかんだ。
「もっと真剣に考えて。こんな選び方ってないわ。桃子も何か言ってよ」
「何をどうやったって納得しないんだろ? だったらこの方法でもいいじゃん。『天の神様の言う通り』なんだからよ」
 彩花の手を振り切り、亮平は再び人差し指を振り始めた。
「どちらにしようかな 天の神様の言う通り あっぷぷのあぷぷ」
 指は桃子を指し示して止まった。
「あっぷぷのあぷぷって何。なのなのな じゃないの?」
「オレはあっぷぷのあぷぷでしめんの」
「『なのなのなすびの柿の種』だよね、桃子?」
「なのなのなすびの柿の種?」
 桃子と亮平とは声をそろえて聞き返した。亮平はスマホを取り出し、調べ始めた。
「関東に多い『なのなのな』と全国にひろがっている『柿の種』がまじってんのな」
 亮平はスマホの画面を彩花に見せた。額を付き合わせるようにして亮平と全国に広がるバリエーションをおもしろがっていた彩花は
「ねえ、『なのなのなすびの柿の種』でしめてみて」
 と言った。
「いいぜ」
 言われるままに亮平は指を左右に振った。今度は彩花を差して止まった。
「『なのなのな 鉄砲撃ってバンバンバン』でもやってみて」と桃子。
 亮平の指は桃子を指した。
「それで、どっちにするの」
 彩花が迫った。
「ああ、もう、うぜっ! 『なのなのなすびの柿の種』も『なのなのな 鉄砲撃ってバンバンバン』も文字数が違うんだから、違う結果になるだろ」
 亮平は頭を抱えて地面にうずくまり、助けを求めるように桃子と彩花の顔をかわるがわる見上げた。桃子も彩花も引き下がる様子がないとわかると、亮平は額が地面につくほど頭を下げて考えこんでしまった。
 長くは感じられなかった。貴一の時には六年もの時間がかかった。その時間を耐えた今ならどんな長い時間でも我慢できる。
「いいこと思いついた!」
 やおら、亮平は立ち上がった。水中から飛び出してきたイルカのように弾みがついていた。
「『なのなのな』まではふたり共通だから、『なのなのな』の『な』で指が止まった方と付き合う。それで文句ねえだろ」
 互いに顔を見交わし、桃子と彩花はうなずいた。
「どちらにしようかな 天の神様の言う通り なのなのな――」
 亮平の指が止まった。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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