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あじろ けい

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キャッチアップ 12

誠の熱は翌朝になってもひかなかった。発疹があったので、医者へ連れて行ってくれと母に頼み、朝一番に診察券だけを置いて自分は学校へとむかった。その日から前期の試験が始まる予定になっていた。
「誠くん、どう?」
 帰りは修一の運転するバスだった。
「発疹が出たから、今朝、母に頼んで近くのお医者さまに診てもらってる」
「発疹か。もしかしたらはしかかな」
「初めてのお祭りで、疲れたんだと思う。子どもってちょっとしたことで熱を出すから」
「お大事に」
 修一と別れ、家路を急いだ。いつもなら転がり出てくる誠の出迎えがないのをさびしく思いながら玄関をあがった。
「ただいま。誠は?」
 靴をそろえるのももどかしく、涼子はバタバタと居間にむかった。
「お薬飲んで、今寝てるわよ」
 涼子の夕食の準備をしている母が台所から顔をのぞかせた。生姜の匂いが強く鼻をつく。
「ちょっと顔みてくる」
「すぐ夕飯だからね」
 誠の寝ている布団のすぐ脇に座り、起こさないようそっと誠の額に手を当てた。薬が効いているのか、昨日よりは熱が下がっているようだ。布団のはじからはみ出している手を布団の下にそっと戻してやる。熱のせいでむくんだ手の甲にはポツポツと赤い斑点が浮いていた。
「お医者さまは何て?」
 生姜焼きを口に運びながら、涼子は母に報告を求めた。
「はしかだろうって言うんだけどね……」
 母は奥歯に物の挟まったような言い方をした。
「他に何があるの?」
「なんだかねえ、今度の熱はいつもと違う気がするのよ」
 誠はよく熱を出した。はしゃぎすぎた疲れが出たり、走り回っていたと思ったら突然電池が切れたように動かなくなったりするが、大抵は翌日にはケロリとしている。誠が熱を出すたびにオロオロする涼子に対し、母は子どもはよく熱を出すものだと言ってゆったり構えていた。その母が、そわそわと落ち着きがない。
 母の微かな不安が伝染し、食欲のなくなった涼子は箸を置いた。
「お医者さまがはしかって言うんだから間違いないでしょ」
「そうよねえ……」

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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