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あじろ けい

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渡せなかった手紙 2-1

 東京駅地下構内。地下の奥底へと貪欲に張り巡らされたエスカレーターを降りていった先に、閻魔庁のある地獄への入口がある。
 霊視を妨げる紫水晶のレンズの丸メガネをかけていなかったら、スメラギの目には地獄への入口からエスカレーターをさかのぼって地上まで延々と伸びる死者たちの霊が見えただろう。
 死者は生前の行いによって、地獄行き、天上界行き、輪廻転生と3つの行く末が決まっている。死後の行き先を決定するのは閻魔大王だが、その裁定に不服のあるものは最大49日まで不服申し立てができる。死者の列は何とかして地獄行きを回避しようと閻魔大王に訴え出ているものたちの行列だった。
 エスカレーターをひたすら降りていくと、一番深い場所にあるプラットホームにたどりつく。スメラギはエスカレーターを降り、くるりと身をひるがえし、エスカレーターのちょうど真下にあたる窪みに身を寄せた。エスカレーター下のスペースを利用したその場所はドアを備えつけて何かの部屋があつらえてあった。
 ドアには艶やかな赤いペンキで「関係者以外立入禁止」とあり、カードリーダー式のドアノブで固く閉じられている。ためらうことなくスメラギはドアノブに手をかけ、下におろした。ドアは少し力を入れると簡単に開き、スメラギは壁とドアの隙間に体を滑りこませた。カードリーダーなど見せかけに過ぎない。カードを持っていなければ入れないとあれば、誰も入ろうとしないし、職員ですら入ってこようとはしない。もっとも、地獄のほうでは誰でも歓迎ではあったが。
 ここが閻魔庁のある地獄への入口だった。
 ドアの向こうには一本の長い廊下があるきり、壁にかかげられた篝火が等間隔に光を投げかけるだけの仄暗い廊下の両脇にはドアが立ち並んでいる。
 それぞれのドアの上には、「康広王」「変成王」「泰山王」などと十王たちの名前が掲げられてあり、中では、十王たちが死者の生前の行いを吟味している。十王たちの部屋の前を通り過ぎ、スメラギはひたすら廊下の突き当たりの部屋を目指した。ドアの上には「閻魔王」とあった。
 泣く子も黙る閻魔王の部屋は、天井から壁から絨毯に至るまで、目が散りそうな赤一色で、机などの家具は黒で統一されている。その上で殺人が行われ、床に染み出した血が階下に染み出したような天井の中央からは、水晶の豪奢なシャンデリアが吊り下がって妖しげな光を部屋に乱れ飛ばしている。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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