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花嫁の父 6-2

 「また……」
 好江は小さく呟いて、玄関先で脱ぎ捨てられている夫の靴を靴箱に閉まった。
 夫が亡くなって以来、1か月が経とうとしているが、好江には夫が亡くなったという実感がわかない。夫が生きていた頃のように、便座があがったままのときがあり、今朝も夫がそうしていたように靴が玄関先で脱ぎ捨てられていた。帰宅した夫はいつも靴は脱ぎっぱなしで、好江が揃えていたのだ。そんなはずはないのだが、夫の気配をすぐそばに感じるため、つい夫の箸や茶碗をそろえてしまって、裕子にたしなめられてしまう。
 夫が生きているかのような不思議な出来事があまりに頻繁に起きるため、はじめは訝しくおもっていた好江だが、今では夫が生きていた頃のように、便座をさげ、靴をそろえるのを楽しみにしていた。
 今日はトイレの便座をさげたかしらとおもってトイレへむかうと、玄関先で人の声がした。
「ただいまー」
 高い声の主は、待ちわびていた次女の典子だった。
 会わせたい人がいるから、ママもお姉ちゃんも今週の土曜日には家にいてといわれ、裕子とふたりで、朝はやく出かけた典子の戻りを待っていたのだった。
「いらっしゃ…い」
 玄関先で好江が目にしたのは、典子を中央に、銀髪の目つきの鋭い若者と、和服姿の青年だった。
「こんにちは」
 和服姿の青年は人懐っこい笑顔で会釈したが、銀髪の若者は黙って頭を軽く下げただけだった。
 てっきり恋人でも連れてくるのかとおもったら、どうやら典子の友人らしい。一人は感じのいい青年だが、もうひとりは愛想のない若者だ。
「ああ、うん、いるね」
 和服姿の青年はそう言って、典子に何か耳打ちした。
「やっぱりねー」
 靴を脱ぐのもそこそこに、典子は和服姿の青年を好江に紹介した。
「ママ、この人、美月さんていうの。霊が見えるっていうから、パパがいるかどうかみてもらおうとおもって連れてきたー。そしたら、今ね、パパがママの横で挨拶してるって」
「美月と付き合っているんじゃねえだろうなって心配してるぜ」
 銀髪の男、スメラギという若者は無愛想に言った。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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