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あじろ けい

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花嫁の父 6-3

 案内されないうちに、スメラギと美月のふたりは槙原家のリビングへむかい、美月はリビングを占領しているダークブラウンのマッサージチェアを指し示した。
「お父さんのお気に入りの場所だったでしょう、ここ。家族の誰も座らせないで、誰も座ろうとしなかったし。
 このマッサージチェアは二代目でしょう。最初のものは藤色で布張り、槙原さんが座っているときに急に二つに折れて、お父さん、サンドイッチみたいに挟まれたんだ」
 当時を思い出したのか、好江が妙な笑い声をたて、次には目に涙を浮かべてこみあげてくるものを抑えるように口元を抑えていた。
 マッサージチェア云々の話は、スメラギが槙原から聞いたことを美月に伝えたのである。霊が見えないはずの美月が見えるふりをするのには理由があった。
 槙原から、妹の典子のほうが占いなどに興味があると聞いたスメラギは、まず典子に近づくことにした。といっても実際に典子に声をかけたのは美月であった。
 街中を歩く典子に、父親の霊がみえるといって美月は典子に近づく。父親のあれこれについて美月が語って聞かせる内容は、スメラギが槙原から聞いた又聞きだ。典子はもちろん気味悪がるだろうが、あやしげなナンパでないと証明するのが美月のいかにも人のいい笑顔だった。ただの笑顔ではない。穏やかながらも、知らず知らずのうちに美月の思い通りに動かされてしまう不思議な力のこもった笑顔だ。
 そして実際、典子は美月の話を素直に信じた。そしてこれもスメラギの計画通り、家に来て父親の霊がいるかどうか見てもらえないかと言わせることに成功した。
「ママがね、パパの霊がいるって信じてるみたいだから」
 便座があがっていたり、物が移動していたりする家のなかで起きる不思議な出来事を典子は美月に語った。それはもちろん、槙原が本当に便座をあげたり、物を動かしていたからで、すべて美月を槙原家に呼び入れるために槙原とスメラギとが練った計画だった。

テーマ:オリジナル小説
ジャンル:小説・文学

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